注文住宅はハウスメーカー、工務店、設計事務所のどこに依頼するのがいいのか?

注文住宅を建てるには、理想の家を建ててくれる会社の選定が必要。とはいえ大手ハウスメーカー、近所の工務店、設計事務所などさまざま。まずは、どんな依頼先があるのかを知り、その特徴を理解しておきましょう。

 

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一戸建て住宅のメリットとデメリット

一戸建て住宅 建築工法のメリットとデメリット

一戸建て住宅、特に注文住宅を建築しようとしている方にとっては、建築工法も悩みの種。一般的な一戸建て住宅の建築工法に着目して、それぞれの建築工法のメリットとデメリットを確認してみましょう。

主な建築工法の種類と特徴

どの工法が一番良いということはなく、それぞれの工法にはメリットとデメリットがあります。一戸建て住宅の建築工法の種類と特徴を見て行きましょう。

1. 木造軸組在来工法
日本古来より伝わる伝統的な工法です。
木の柱と梁で骨組みを組み、“筋交い(すじかい)”という斜めの材で地震等の横からの荷重に耐える構造になっています。

日本で昔から建てられてきた工法のため、日本らしいデザインが最も引き出せる工法と言えます。
そして、木という素材は鉄やコンクリートに比べて、軽くしなやかな上に遥かに高い断熱性能も持ち合わせています。
コストの面でも比較的低く抑えられます。

また、木は火事に弱いと思われている方もいるかも知れませんが、決してそのようなことはありません。

薄い木は直ぐ燃え尽きてしまいますが、柱や梁のような太い木は表面が炭化することで、内部を守り、構造耐力がなくなるまで燃え尽きるにはかなりの時間を要します。
そのため、建築業界でもこの木の耐火性能が見直されています。

一方で、木は自然素材の良さが最大の魅力である反面、床下や屋根裏の湿気による腐朽やシロアリ等の害虫による被害などが多いことが難点です。
また、一般的な木造軸組在来工法では、壁に筋交いを入れる必要があったり、鉄やコンクリートに比べると強度が劣るため、柱のない大空間や壁全面窓等の設計の自由度は低くなります。

2.木造枠組壁式工法(ツーバイフォー工法)
アメリカから伝わって来た、材料寸法や釘等が規格化された非常に合理的な工法です。
木の間柱(2インチ×4インチ等)と合板等の板材で壁を作り、壁で建物を支える構造になっています。
材料寸法や釘の規格化によるコストダウンが期待出来るのに加えて、職人の技術差による施工ミスを少なくすることが出来るのが特長です。
木という素材の断熱性能が期待できるのに加え、規格された合理性をそのままに、間柱を4インチから6インチや8インチに変えることで壁の厚みを増し、断熱性能を高める等、工法の特長を活かした住宅もよく見られるようになってきました。
北欧や北米などで見られる高気密高断熱の家もこの工法の応用です。

柱や梁という点で支えるのではなく、壁という線や面で全体を支える工法ですので、地震等にも非常に強いというメリットがあります。その反面、壁の量と配置バランスによって建物が構成されているため、壁に大きな窓を開けたりすることは不得手な工法と言えます。

3.鉄筋コンクリート工法
鉄筋という鉄の棒を網目状に組み、周りを板材で囲いを造り、そこにコンクリートを流し込むことで柱・梁・壁・床等を造る工法です。
コンクリートは脆く割れやすい、鉄筋は錆びやすい、というそれぞれの素材の弱点をお互いに補うことで、強固な構造となります。鉄とコンクリートは熱による膨張率がほぼ同じであるなど、相性がとても良く、お互いの良い所取りをした工法とも言えます。
また、コンクリートはとても重いため、音が伝わりにくく、防音性能にも優れています。

しかし、建物の構造を造るだけでも【鉄筋工】→【型枠工】→【コンクリート流し込み】→【固まるまで待つ】→【型枠外し】と工程が非常に多く、手間も時間も必要となります。そのためコストもふくらんでしまう工法と言えます。

また、コンクリートは熱を通しやすく、また熱を溜め込む量が大きいという特徴を持つ材料です。そのため、冬場は室内の熱が屋外に逃げやすいために寒く、夏場は日中の日射を溜め込んで夜に放出されるために寝苦しい等、快適性を阻害する要素にもなります。

4.鉄骨組工法
鉄の柱や梁で骨組みを造る工法です。
基本的な構造の考え方は木造軸組在来工法と同様ですが、鉄は木よりも非常に強度が高いため、柱や壁がない大空間や大きな窓を付けたりすることのできる、自由度が高い工法です。また、鉄はとてもしなやかで強く、細い材料で強い構造を造ることができるため、内部をすっきりとした圧迫感のない空間にすることができます。

一方で鉄は熱を通しやすいため、冬場は室内の温められた空気が外に逃げ易く、室内外の温度差による結露が生じやすくなります。
また、他の工法と比較して、火災時の高熱に弱い点や、防音性が劣るというデメリットがあります。

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建築工法による建築時の天候と季節の影響

何もない土地に基礎を造り、柱や壁を造り、屋根を架けていく建築中は、どうしても雨が降ったり風が吹き込んだり強い日差しに照らされたりと天候や季節の影響を受けます。
木造の場合、柱や梁や合板等が雨や湿気によって水分を含むことで後々のカビの発生原因となったり、湿潤と乾燥を繰り返すと材料の割れや反りの原因となり、仕上がりの見栄えにも影響を与えます。
鉄骨や鉄筋等も長期間湿潤な状態が続くと過剰な錆が生じることがあります。

そのため、建築現場では天候や季節の影響を受けないために、出来るだけ早く屋根を架けるということが大きなポイントになりますが、建築工法によっていつ屋根を架けられるかに違いが出て来ます。

建物を「建てていく順番」に着目して大きく2つに分けると、柱や梁で屋根を支える構造と壁で屋根を支える構造とに分けられます。
柱や梁で屋根を支える構造としては、木造軸組在来工法や鉄骨組工法があります。
そして壁で支える構造としては、木造枠組壁式工法(ツーバイフォー工法)です。
鉄筋コンクリート工法は、どちらの構造でも可能です。

柱や梁で屋根を支える構造の場合、柱と梁の骨組みさえ出来れば屋根が架けられるため、屋根を早い段階で架けられる工法です。
一方、壁で屋根を支える構造の場合は、1階の床と壁・2階の床と壁を組み立てなければ屋根を架けることが出来ず、その間、雨天時等は床や壁が濡れてしまう可能性が高まります。

そのため、近年では壁で屋根を支える構造の場合は、壁や床を工場でパネル化して屋根を架けるまでの工期を出来るだけ短くする工夫をしているメーカーも増えています。

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工法の特徴・大きさとコストのバランスで選びましょう

例えば、木造軸組在来工法や木造枠組壁式工法(ツーバイフォー工法)では、平屋建て・2階建ての場合は建築コストを抑えられますが、3階建てになると急に建築コストが上がりますし、都市部の防火の規制が厳しい所とそうでない地域でも大きく変わる傾向があります。建築コストは、建物の階数や規模と建築工法の組み合わせによって決まります。

また、鉄筋コンクリート工法の場合は、全体的なコストは高くなりますが、階数や防火規制等による極端なコスト増はなかったりします。

それぞれの工法の特長をおさえた上で建築する時期の気候、建物の大きさや規模とコストとのバランスの良さで建築工法を選びましょう。

住宅の購入に適した年齢はあるの?

住宅を購入するタイミングは、誰しもが悩むもの。頭金などの資金も必要です。資金面やローンの返済などのことも踏まえて、何歳ぐらいが住宅購入に適した年齢なのかを考えてみましょう。

住宅を購入するタイミングはいつがいい?

住宅を購入するには、頭金や住宅ローンが組めるなど資金的な段取りが出来ていることが重要です。また、将来の家族を踏まえて購入する家がどんなものが良いのかを決めなければなりません。結婚の適齢期が、変わってきているように、住宅を購入するタイミングも変わってきています。結婚して家族を持つ30代がまさに適齢期でしたが、結婚も晩婚化し40代で購入する人や単身の住宅購入も目立っています。老後に備えて50代以降の方が購入することも珍しくなくなりました。通常住宅の購入には、住宅ローンで購入する場合、頭金が必要ですしローン審査が通らないと融資が受けられません。資金的な面で考えると30代になってからの購入が現実的でしょう。

住宅購入年齢

住宅ローンの返済から考える

大手金融機関の住宅ローンの融資基準を見ると、満20歳以上71歳未満で、最終返済時の年齢が満81歳未満となっています。しかし、老後の生活資金を考えると定年退職する60歳ぐらいには完済(退職金も合わせて)したいところでしょう。30年~35年のローンを組んでその後繰上げ返済すると考えても、タイミング的には30代で購入できるのが良いと思います。住宅金融支援機構が実施している平成24年のフラット35利用者調査では、住宅購入者の割合は、30歳代が48.8%で最も多く、次いで40歳代が22.1%で続きます。自己資金がある人なら高齢でも購入できるでしょうが、住宅ローンの支払い面から見ると若い方がより有利です。また、子供の出産や結婚する人の多い30代は、人生の方向性も定まってくるでしょう。

購入可能年齢はいつまで

住宅購入は何歳まで可能なのでしょうか。金融機関によっては、70歳まで住宅ローンを組めますが、一定の収入があることが前提です。60代前半でのローン完済を考えると、住宅ローンを組んでの住宅購入は50歳が一つの目安だと思います。新築と比べ価格の魅力のある中古物件は、新築物件に比べ購入者の年齢層が高くなっています。ずっと社宅暮らしだったなどで自己資金があるなら、何歳でも購入可能です。最近では、長寿社会の中、80代で家を住み替える方もいます。そういう意味では、家もローンも長い視点で考えて選択することが重要です。家賃などの一定の住宅支出があって、家族のイメージが出来ている人は早めに住宅を購入するのも得策かも知れません。

一戸建て購入で、販売価格以外に必要なお金

一戸建てを建設する時、実は、たくさんの諸費用がかかります。これを忘れていると、大変なことに。たとえば4000万の家を買うときは、4000万だけでは足りないのです。そんな、一戸建て購入時のお金について解説します。

注文住宅を建てるときの注意点

一戸建てを買おうと思った場合は、大きく以下の3つの方法があります。ひとつは自分で土地を持っていて、その土地に建物を建てるという注文住宅のケースです。もうひとつは土地と家を一緒に建売住宅を購入する分譲住宅のケース。そして中古住宅を購入するケースです。注文住宅を建てるケースでは、元々所有していた土地に古い建物がある場合は、その解体費がかかります。またその土地が農地や山林であった場合は、土地の造成費用や水道などの引き込み代などの経費がかかります。建物の建設費用だけでなく、そうした土地関係の費用がかかるので必ず見積もりをとるようにしましょう

一戸建て 価格

建売住宅を購入するときの注意点

前述の注文住宅に比べて、建売住宅の購入をする場合は実際の建物と土地をセットで購入するため、抜け漏れが少ないと思われがちです。「建ててあるものを売っている」のですから。ところが、例えば門や駐車場などの外構工事費用などがオプションとなっているケースが多いのです。建物だけの価格を支払っても、住むためには様々な付帯工事や設備費用が15~20%ぐらいかかります。特に建築条件付き土地の契約で建てた場合は注文住宅同様に、どこまでが契約範囲でどこからが別料金なのかはしっかりと確かめておくようにしましょう。

諸経費は1割ぐらいかかることも

中古住宅であれば、ずばり建物も土地もすぐ住める状態で買えるということになりますが、そうしたケースも含めて、実際の不動産取引以外にたくさんの諸経費がかかることも忘れてはいけません。仲介手数料、住宅ローンの手数料、住宅ローンを組む時の保険、各種登録費用などは、本体の建物価格以外に5~10%ぐらい必要です。また照明やエアコンも必要ですし、カーテンなども必要になります。ギリギリの予算で建物だけ買うのではなく、資金計画に余裕を持って、新生活をスタートできるようにしましょう。土地価格は全国で相場が大きく違いますが、建物価格は大きな違いはありません。建築工法や坪単価などで比較をしつつ、諸経費や付帯工事費用についても忘れずに資金計画を立てるようにしましょう。

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(2013/06/11)

建ぺい率とは?容積率とは?

建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合です。建築面積のことを「建坪(たてつぼ)」ともいいますが、建物を真上から見たときの水平投影面積で表されます。2階建てで一般的な形状の一戸建て住宅であれば、1階と2階のうちどちらか大きなほうの面積と考えても良いでしょう。この建築面積が、敷地に対してどの程度の割合を占めるのかを示すのが建ぺい率ということになります。例えば建ぺい率が60%と指定された地域にある100平方メートルの敷地には、建築面積が60平方メートルまでの建物が建築できます。容積率とは、敷地面積に対する延床面積の割合です。例えば容積率100%と指定された100平方メートルの敷地には、1階60平方メートル、2階40平方メートル、合計100平方メートルの建物が建築可能となります。建ぺい率、容積率とも、その限度は都市計画によって定められていますが、いくつかの緩和規定が設けられ、建物の形状や立地条件などによって変わります。建ぺい率では、幅が1メートル以内の軒、庇、バルコニーなどが算入されないこと、容積率では延床面積の3分の1までの地階、延床面積の5分の1までの車庫を不算入とすることができます。このように、建ぺい率、容積率とも、複雑な計算が必要となります。

建ぺい率

建ぺい率と容積率によって、建てられる住宅に違いがある

建ぺい率の上限は、用途地域との組み合わせによって30%から80%の間で定められます。建物の構造が制限される「防火地域」や、一定の要件を満たす角地では指定された建ぺい率の緩和措置があり、実質的に「制限なし」となる場合もあります。容積率の上限も同様に、用途地域との組み合わせによって50%から1300%の間で定められますが、前面の道路幅が12メートル未満の場合には、道路幅×0.4(住居系の用途地域)または道路幅×0.6(その他の用途地域)で求めた数値と、指定された容積率のうち「どちらか小さいほうの数値」が適用されます。

低層住宅地に多い「建ぺい率50%、容積率100%」の敷地では、一般的に2階建ての住宅までしか建てることができません。さらに高級住宅地などでみられる「建ぺい率30%、容積率60%」などの場合には、それなりに広い敷地でなければ十分な大きさの住宅は建てられないことになります。3階建て住宅を計画するのであれば、容積率は少なくとも150%が欲しいところです。

マンションの場合には容積率が大きいほど高層建築が可能になります。商業地域などで建ぺい率80%、容積率800%の敷地なら、単純に考えると10階建てが可能で、空地を多くすることによってそれ以上の階数が建てられる場合もあります。

建ぺい率と容積率以外にも、いろいろな建築制限がある

ただし、建築できる建物の大きさや高さを制限する規定は建ぺい率と容積率だけではありません。

「道路」「隣地」「北側」による高さの制限、いわゆる「斜線制限」や、低層住宅地における「絶対高さの制限」、日照を保護するための「日影規制」、さらに自治体によって内容が異なる「高度地区」の制限なども規定されています。これらの高さ制限と、建ぺい率や容積率の制限が組み合わされて最終的に建築可能な建物の大きさなどが決まります。そのため、指定された建ぺい率や容積率を上限まで使えないケースも少なくありません。

また、斜線制限によって建物の上部を斜めにせざるを得なかったり、最上階の天井高が部分的に低くなったりすることもあります。その一方で、一定規模以上の敷地で十分な空地を確保した場合などには、容積率や高さ制限の大幅な緩和措置もあり、地域によってはタワーマンションなどを建てやすくなっています。

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住宅ローンでも優遇される!長期優良住宅とは?

日本の住宅寿命を延ばす施策の一つとして平成21年6月にスタートした「認定長期優良住宅」制度は、主に一戸建て住宅で普及が進んでいます。長期優良住宅のあらましを知るとともに、そのメリットを考えてみましょう。

長期優良住宅とは?

これまでの日本では木造住宅の寿命が20~30年程度とされ、建て替えによる廃棄物の問題だけでなく、資源の浪費や建築時のエネルギー消費などの問題も抱えていました。また、住宅ローンの返済が終わってすぐに建て替え問題に直面すれば、国民の経済負担にも大きな影響を及ぼします。そこで質の高い住宅をつくることにより、それをできるだけ長く使うとともに中古市場での流通性を高めようとする観点から「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が平成21年6月にスタートしました。その基準によって認定を受けた住宅が「認定長期優良住宅」です。平成28年2月には、新たに増改築に係る基準も設けられ、中古住宅においても認定を受けることが可能になりました。

・木造一戸建て住宅の場合、長期優良住宅として認定を受けるための主な項目は以下のようになっています。

・劣化対策(少なくとも100年程度はもつことを想定)

・耐震性(建築基準法レベルの1.25倍以上または免震構造)

・維持管理・更新の容易性(内装や設備の清掃・点検・補修・更新など)

・省エネルギー性(断熱性能など)

・居住環境(地域内における良好な景観形成や、まちなみとの調和など)

・住戸面積(原則として75平方メートル以上)

・維持保全計画(将来を見据えた定期的な点検・補修などの計画)

共同住宅など、一戸建て以外の建物は、上記項目に
・可変性(居住者のライフスタイルに応じて間取り変更が可能な措置が講じられていることなど)
・バリアフリー性(バリアフリーに対応できるスペースが確保されていることなど)
がプラスされます。

長期優良住宅

長期優良住宅を買う・建てる際に受けられる特典

長期優良住宅として建てられた住宅を買う際、あるいは長期優良住宅を注文住宅として建てる際には、さまざまな税制上の優遇措置も用意されています。住宅ローン減税では10年間の最大控除額が一般住宅よりも100万円上乗せされるほか、住宅ローンを借りずに長期優良住宅を買ったり建てたりした場合でも所得税の控除を受けることができます。さらに登録免許税では所有権保存登記と移転登記の際に一般住宅よりも税額の軽減が受けられ、不動産取得税や固定資産税についても軽減措置や控除額の拡大が図られています。また、住宅金融支援機構が取り扱う【フラット35】では、適用金利を引き下げた【フラット35】Sの利用ができるほか、返済期間を最長50年とする【フラット50】は長期優良住宅が対象となっています。さらに、地域材を用いた長期優良住宅であることなど一定の要件を満たせば、国の「地域型住宅グリーン化事業」(長寿命型)により最大100万円の補助を受けられる場合があります。

また、増改築の場合は、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」により、最大250万円の補助を受けられる場合があり、【フラット35リノベ】では、適用金利の引き下げを受けることができます。

長期優良住宅を買う・建てる際に気をつけたいこと

長期優良住宅では建築費用がそれなりに割高となるとともに、認定を受けるための費用も必要となってきます。申請のための書類や添付図書の作成費用などもかかるため、長期優良住宅を検討する際にはそれらの費用負担も含めたうえで、税金などの優遇措置と比較しながらしっかりと考えなければなりません。しかし、住宅ローンを支払い終わった途端に建て替え問題に直面するというリスクがないことは、大きなメリットになるはずです。将来の中古住宅市場において長期優良住宅が優位になることも十分に想定されるでしょう。ただし、長期優良住宅として認定を受けた住宅は、将来にわたって定期的な点検や補修などを実施しなければなりません。少なくとも10年ごとに点検を実施したうえで、その記録を「住宅履歴情報」として保存することが求められます。それらが実施されない場合には、認定が取り消される場合もあります。

欧米並みの長寿住宅を。200年住宅とは?

200年住宅とは、欧米並みの長寿住宅を意味するもので、具体的な指標ではありません。今までの「建てては壊す」サイクルをやめ、長持ちする家を建てて大切にしていこうという住宅政策への転換が進んでいます。

200年住宅という考え方

日本の住宅政策は、2006年に制定された住生活基本法で大きな転換期を迎えました。これまでの「建物を建てては壊す(スクラップ&ビルド)」という流れを変え、長持ちする家(=200年住宅)を建ててそれを大切にし、価値のある中古住宅を増やし売買を活性化させましょう、というものです。既存住宅の活用に重きを置くことで住宅を取得しやすくし、家のスクラップによる産業廃棄物を減らし、地球環境の保護につなげることを目的にしています。「200年住宅」とは具体的な指標ではなく、そのくらい長持ちする家をつくりましょう、という意味で用いられます。2009年、200年住宅構想が具体的な形となり、新しい法律として制定されました。それが「長期優良住宅の普及の促進に関する法律(長期優良住宅法)」です。それ以降は「200年住宅」ではなく「長期優良住宅」と呼ばれています。
制定当初は、新築住宅でしか認定を受けられませんでしたが、2016年2月には、新たに増改築に係る基準も設けられ、中古住宅に於いても認定を受けることが可能になりました。

最近話題の「200年住宅」

200年住宅に向けた公的支援

それまで日本の住宅の寿命は30年、アメリカは55年、イギリスは77年と言われ、その差は大きく開いていましたが、長期優良住宅法には、欧米並みの長持ち住宅となる家の基準が決められました。長持ちする家を建てるには建設費がアップするため、それを補う形で減税制度などの公的支援が整えられました。住宅ローン減税が一般の住宅に比べ拡大されたほか、住宅ローンを組まない人にも標準的な性能強化費用相当額の10%、最大控除額65万円(60万円)※消費税8%または10%の間合いの額。それ以外は()内の額。をその年の所得税から控除できるという特典がつき、登録免許税、不動産取得税、固定資産税なども優遇策が設けられています。また、長期優良住宅に対応した住宅ローンの供給支援として、最長50年の住宅ローンが組めるようになったほか、フラット35Sの金利優遇の期間を一般住宅より長い設定としました。
また、増改築の場合には、「⻑期優良住宅化リフォーム事業」により、最大250万円の補助を受けられる場合があり、フラット35リノベでは、適用金利の引き下げを受けることができるようになりました。

100年コンクリート、長期優良住宅などの取り組み

長期優良住宅法が施行されてから戸建て住宅での導入が進み、3大都市圏及地方都市圏では全体の6割程度の新築住宅で長期優良住宅の認定を受けています。日本全国平均ではもう少し下がると思われますが、 2009年の発足以来長期優良住宅の取り組みが浸透してきていると言えるでしょう。一方、マンションでは長期優良住宅の厳しい基準をパスすることはなかなか難しく、戸建てほど認定住戸数は増えてはいませんが、都心部などを中心に認定された長期優良住宅が供給されています。寿命が100年あるとされる「100年コンクリート」の採用や、構造躯体と内装設備を切り離して設けるスケルトン・インフィルの採用など、様々な取り組みが行われています。

年収300万円代でも手が届く 注文住宅を建てる工夫やヒント!

「注文住宅なんて予算的に無理」という方も多いはず。しかし実際には年収300万円台で購入した人も多くいます。そこで夢への一歩を踏み出すために「コストを抑える家づくり」の工夫やヒントを紹介します。

約5人に1人が、年収300万円台で注文住宅を

まず注文住宅を購入するには、具体的にいくら必要なのでしょうか?例えば独立行政法人 住宅金融支援機構の調査によると、2013年度の「土地付注文住宅」の戸あたりの全国平均所要資金額(土地含む)は、約3600万円にものぼるとのデータがあります(※1)。
そのなかで、フラット35を使って住宅ローンを組み「土地付注文住宅」を購入した方の約18.7%(約5人に1人の割合)が、世帯年収399万円以下(※2)という興味深い内容も出されています。
つまり、たとえ年収300万円台であっても、土地を購入して注文住宅を建てることが可能であるということです。

とは言え、実際にそんなことが可能なのか不安でいっぱいだと思います。そこで「資金計画の考え方」や「購入のための工夫やヒント」など、コストを抑えて注文住宅を建てるコツを紹介します。

【参考】
住宅金融支援機構ホームページ資料
(※1) http://www.jhf.go.jp/files/300183332.pdf P12
(※2)http://www.jhf.go.jp/files/300183332.pdf  P7

住宅ローンを組むなら、若いうちが良い?

家を建てるためには、まず資金計画が大前提になります。では年収300万円台の方ならば、いったい住宅ローンはどのくらいの借り入れができるのでしょうか。
一般的には、借り入れ時の年収の約5倍までが、健全に返済できる簡単な目安とされています。例えば年収350万円の方の場合には、おおむね1750万円前後までが借り入れ可能な範囲といえます。これに頭金(自己資金)を加えたものが、住宅の購入の総予算となります。
しかし、総予算が「借入金1750万円前後+頭金(自己資金)」だけでは、土地や建物の条件も限られてしまう可能性が高いです。なぜなら、頭金の額にもよりますが、先ほどの調査結果にあるように全国平均所要資金額である約3600万円には、はるかに届かないからです。
そこで、すこしでも自分のイメージする家を建てようとするならば、
・夫婦のそれぞれの両親などから援助してもらうことで、頭金を増やす(借りる・贈与など)
・夫婦の共同名義で契約し、世帯年収(家族全体の収入)として借り入れ、住宅ローンの額を増やす
などの手段が考えられます。

また20~30代ぐらいの方の場合は、
・年齢を重ねるにつれ収入もあがり、将来的にローン返済も楽になることも
・若いうちにローンを組むことで返済期間を長く組むことが可能
などといったメリットも考えられるので、なるべく若いうちに建てるほうが得することもあります。

ただ、家を建てることにかけられる費用は、総予算の約70~80%ぐらい。ほかに電気・ガス工事、外壁や植木などの外構工事などの「付帯工事費」(約15~20%)や引越代などにかかる「諸費用」(約5~10%)がかかることを見落としがちですので、注意しておきましょう。そのほかにも、新居で家具を新調するならばそちらも別途費用が必要となります。
また、外構工事では庭の整備など、自分の手でできることもあります。自分でやる(DIY)ことで、家への愛着も深まり経費節約にもなりますので、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。

コストのかからない家づくりとは?

また、建物のプランでもコストを抑えるポイントがあります。限られた予算の中で、コストを抑えて注文住宅をつくるには、家を建てる会社選びも重要です。一般的にハウスメーカーはコストが高いといわれますが、ローコストに特化した規格型の商品もあるので見逃せません。また地元密着型の工務店はより具体的にコストに沿ったプランニングをしてくれることが多く、いずれを選択するにしても自分の計画した予算内でイメージに近い家づくり叶えてくれる会社を選ぶことが大切です。焦らずにじっくりと時間をかけて決めていきましょう。

「建物の形はシンプルに」
「廊下をできるだけ減らす」
「リビング内に階段作ることでリビング外に階段スペースをつくるコストをさげる」
「部屋の数を減らす」
「本格的な和室は高いのでつくらない」
など、具体的なアイデアはいっぱいあります。施工する会社と相談しながら、ライフプランに沿って取捨選択することで、コストのスリム化を図りましょう。

さらに、20~30代ぐらいの方は、先ほども触れたとおり長期にわたる予算計画などのメリット以外にも、家づくりにかけられる時間も多い分、じっくりとプランを練って作れるなどの利点もあります。また実際に20~30代で建てている方も多くいます(※3)。

【参考】
住宅金融支援機構ホームページ資料
(※3) http://www.jhf.go.jp/files/300183332.pdf P3

土地費用を上手に抑えるためには

土地付注文住宅であれば建物の建築費用に加え、土地の購入費用がかかるため、できるだけ建物にこだわりたいのであれば、土地購入のコストを抑える必要があります。そこで「最寄駅からやや離れている」「三角地や旗ざおなどの変形地」など、同じエリアで同じぐらいの広さであっても土地の立地条件次第では、建築制限などの規制がある分、比較的安くなっている場合もあるので、「ここまでの条件なら許せる」というラインを決めて、不動産会社の担当者に相談してみるのもよいでしょう。

また「実家が敷地の広い家を持っている」のであれば、敷地の一角を譲り受けて建てることで土地購入の費用を抑えられ、その分を建築費用に回すことができます。ただし、再建築不可などの建築規制がある場合もありますので、事前に行政などに確認しておきましょう。

加えて、近頃は二世帯住宅のプランもぐっと幅が広くなり、互いのプライバシーを保ちつつちょうど良い距離感で暮らせる二世帯住宅も多く見られます。二世帯住宅ならば、親からの多くの援助も期待でき、親子共同名義でローンを組むことで予算の幅が広がります。また「ローン控除」や「贈与税」などの優遇制度もとりいれて計画するなど、コストを抑える手段は他にもあります。

マイホームへの夢に向けて、まず一歩を踏みだそう

このように、たとえ年収が300万円台でも工夫次第では十分、注文住宅で家を建てることが可能です。注文住宅は、決して“手の届かない夢”ではないのです。

まずは「こんな暮らしがしたい」というイメージをしっかり頭に描きつつ、工務店やハウスメーカーが実施する「資金相談会」に参加したり、金融機関で住宅ローンを相談するなど、自分で勉強して資金やプランを計画してみては?そうすることでマイホームへの夢はぐっとふくらみ、現実のものとなることでしょう。
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住宅購入のご契約は慎重に!トラブル回避に知っておくべき事

住宅購入のご契約は慎重に!トラブル回避に知っておくべき事

不動産は取引きされる金額が大きいだけに、トラブルは誰しも避けたいところ。不動産取引の基本を押さえておけば、避けられるケースも多くあります。

大きなトラブルの原因は些細なきっかけから

不動産購入時に発生する大きなトラブルも、きっかけは言った・言わない、説明した・説明されていない、など些細な理由から生じるケースが多いことが実情です。
原因の一つに、契約書の締結前に必ず行われる重要事項説明という詳細説明の情報量がとても多く、専門的な用語も多いため、一度に聞いてもほとんどの方がすべてを理解できず、聞き逃してしまう所にあります。

不動産会社に全てを委ねるのではなく、トラブルに巻き込まれないためにも、できるだけ不動産取引の基本を覚えておく必要があります。
そこで、覚えておきたい「トラブルを回避できるポイント」を紹介します。

住宅購入のトラブル事例

不動産の売買契約時にはいくつもクリアしなければならないポイントがありますが、その一つが書類作り。
この書類にしっかりと目を通して理解することが、後のトラブル回避には不可欠です。

不動産契約に関わってくる書類は2種類あり、1つ目は売買契約書、2つ目が重要事項説明書です。

売買契約書については、支払いや引渡し期限でトラブルが起きないようにするための約束事が記されています。
一方、重要事項説明書には売買される物件の詳細な情報が記されています。

両方共にとても重要な書類になるので、一通り説明を受けただけでは、すべてを理解できる方はなかなかいらっしゃらないと思います。
重要なのは解らない言葉や表現が出てきた時に、その場で追加の説明をお願いすることです。
取引をする不動産会社へ支払っているお金は、この物件情報を整理し、あなたに説明をすることも含まれる手数料なり報酬ですので、遠慮をする必要はありません。

では、具体的に住宅購入で書類の記載内容の見落としや、安易な判断がトラブルにつながってしまった事例をご紹介します。

<トラブル事例1>
住宅ローンを組んで購入する場合、売買契約書にはローンが借りられなかった際に契約を解除して、手付金も返金される「ローン特約」を付けることがほとんどです。
しかし、このローン特約が付いていないことに気づかず、手付金放棄での解約をせざるを得なくなったという事例があります。
住宅ローンを組む方は、必ず売買契約書にローン特約が付いているか確認をしましょう。

<トラブル事例2>
不動産会社Aに仲介をしてもらう媒介契約書を締結し、物件見学を経て後は契約という所まで進んだ時点で、別の不動産会社Bの仲介手数料のほうが安くなるということを知り、そちらの不動産会社Bと契約をしようとしたケース。その結果、不動産会社Aからも仲介手数料の請求されてしまったり、業界のルール違反だという理由で、取引事態を断られてしまったという事例があります。
媒介契約を締結したり、現地を案内してもらう前に、どの不動産会社にお願いするかもしっかり吟味しておきましょう。

クーリングオフできる場合、できない場合

申込みや契約をした後でも、1週間以内なら解約ができるのがクーリングオフ…というように大雑把にしか覚えていない方も多いのではないでしょうか。
不動産の申込みや契約でもクーリングオフが有効な場合もありますが、厳密にはクーリングオフができない場合もあります。
ポイントになるのは「申込みをした場所」と「クーリングオフができると書面で知らされた日」です。
そして、「申込みをした場所」の申込みとは、契約書や申込書に署名捺印した時点ではなく、「買うか買わないかを判断した時点」であるのを注意しておきましょう。

具体的にクーリングオフができないケースを見ていきます。

まず、消費者が冷静に判断できる環境で締結した契約は、基本的にクーリングオフはできません。冷静に判断ができる環境とは、たとえば不動産会社の事務所やモデルルーム、自分で申し出た自宅や勤務先などです。一方で、喫茶店やテント張りの案内所などの場合はクーリングオフが可能です。

少々難しいのですが、買うか買わないかの判断をモデルルームで行い、後日契約を喫茶店で行った場合は、クーリングオフができないことになります。
逆に、買うか買わないかの判断をテント張りの案内所で行い、後日不動産会社の事務所で契約をした場合は、クーリングオフができるのです。

そしてもう一つが「クーリングオフがありますよ」と「書面」で知らされた日がいつであるかを確認してください。
クーリングオフはこの「書面」を渡されてから8日間が期限になります。
もし「書面」でクーリングオフができることが知らされていない場合は、クーリングオフは原則いつまでもできることになります。
ただし、当然ですが引渡しと代金全額の支払い両方が完了した場合はクーリングオフができなくなります。
どちらかが完了していない場合、つまり引渡しを受けても代金を全額払っていない場合もクーリングオフはまだ可能ですので、覚えておきましょう。

クーリングオフは消費者の権利であり、解約理由などは一切必要ありません。
個人的な理由で話したくないということであれば、解約の意思だけでクーリングオフが可能です。

仲介手数料はどんな場合に必要?

新築マンションでよく聞く「販売代理」の場合は、通例として買主が仲介手数料を払う必要はありません。ただし、買主から手数料をもらってはならないということではないため、もし請求された場合には、事前にそのような内容であったのかをよく確認しましょう。仲介手数料がどのような契約の場合に必要になり、不要になるのかも確認しておきましょう。
例えば、新築マンションで売主から直接購入する場合や中古でも不動産業者が売主で直接購入する場合は仲介手数料が不要です。
一方、売主が個人・不動産業者に限らず、間に不動産仲介業者に入ってもらって取引をする場合は仲介手数料が必要になります。

また、仲介手数料の上限は宅建業法で決まっています。
不動産売買の場合は、400万円以上の物件であれば、3%+6万円に消費税がプラスされたものが仲介手数料の上限となります。

焦らず。知ったかぶりせず。恥ずかしがらず

これまでトラブル事例や契約時の注意事項等をご紹介してきましたが、ポイントをまとめると2つになります。
1つ目は、自分が当たり前だと思っている常識だけで進めず、文言として書かれているか確認する。
2つ目は、少しでも疑問が湧いたことをわからないままにしておかない。

私のこれまでの経験から契約書や重要事項説明書の説明を聞き飛ばしてしまったり「そんなことも知らないの?」と思われるのが恥ずかしく感じて疑問に思ったことを質問しないままで進んでしまった結果、トラブルに巻き込まれるケースが多いように思います。

「焦らず。知ったかぶりせず。恥ずかしがらず」でトラブルを回避してください。

低価格住宅は心配ないのか?

誰でも「低価格で高品質」の住宅を求めるのは当然でしょうが、低価格住宅でも一般のハウスメーカーと同等の品質が確保されているのかどうかは気になるところです。低価格住宅の仕組みを考えてみることにしましょう。

低価格住宅とは、どのような住宅のこと?

一般的なハウスメーカーで家を建てるときには、坪単価が70万円から80万円台程度になることが多いでしょう。それに対して低価格住宅の坪単価は30万円から40万円台程度のことが多く、中には20万円台で広告されているものもあります。「ローコスト住宅」とも呼ばれますが、ハウスメーカーのおよそ半額の水準で、単純に考えると広さが30坪程度の家を1,000万円前後で建てられることになります。

低価格を実現する手段として、資材の一括購入や大量共同仕入れ、工場への直接発注や海外からの直接仕入れによる中間マージンの排除、現場の作業効率化による工期の短縮や人件費の抑制、他社との共同事業化や分業による合理化、さらに広告宣伝費の削減などが挙げられるでしょう。

低価格住宅

低価格住宅を選ぶ際の注意点

低価格とするためには、設計上の制約も生まれざるを得ません。できるだけシンプルな構造にして建材の使用量や人件費も抑えるため、こだわりの内装や間取り、デザインなどを求めることは難しいでしょう。また、キッチンやユニットバス、トイレ、給湯器などの住宅設備も普及タイプの廉価版を使うことが多く、最新の高機能なものを取り入れようとすれば、オプションとして追加料金が発生することも少なくありません。

さらに、家は本体工事だけでできるものではなく、さまざまな設備や外構工事の費用もかかります。ところが「坪単価いくら」と広告している対象が本体工事費のみで、その他の費用を含んでいないこともあります。中には必要不可欠な設備までオプションにして、安い単価を表示しているケースもあるようです。「坪単価」の中身は各社まちまちですから、どこまでが含まれるのかをよく確認することが重要です。また、設計料や建築確認費用、地盤調査費用などが別途必要だったり、地盤改良費用がかかったりする場合もあるでしょう。それ以外にも諸費用がかかりますから、決して「提示された坪単価×建物の広さ」で家が建つわけではないのです。

低価格を実現するために、人件費を過度に削減している場合もあるので注意しなければなりません。下請けや孫請けを使いながら人件費を低く抑えれば、現場の仕事が雑になり施工精度が落ちることもあるでしょう。工事監理者を適切に配置できないことで、工事のチェックが十分に行われないケースもあります。低価格住宅を選ぶ際には、どのような理由で低価格になるのか、納得できるまでしっかりと説明を受けることも欠かせません。また、建てた後のメンテナンスや将来のリフォームのしやすさなどにも注意が必要です。建てるときは安くても、その後にかかる費用が高ければ、トータルで「低価格住宅」にはならないでしょう。

低価格住宅の保証はどうなっている?

低価格住宅であっても、当然ながら品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)の適用があり、引渡しの日から最低10年間は建築業者が瑕疵担保責任を負うことになっています。さらに万一の倒産などに備えて「住宅瑕疵担保履行法」による資力確保措置が義務付けられ、請負人が保証金供託もしくは保険加入のいずれかの措置を講じることも、一般のハウスメーカーと何ら変わりません。しかし、アフターサービスや引き渡し後の定期的な点検などは建築業者によって違いますから、事前に十分な説明を受けるようにします。

住宅性能表示制度による評価書の交付を受ける住宅も多いでしょうが、評価書があればそれで良いというのではなく、その中身(項目ごとの等級)をしっかりと確認することが大切です。また、工事途中に建築業者が倒産などした場合に備えて住宅完成までをサポートする「住宅完成保証制度」や、「地盤保証制度」などもありますが、これらの利用は任意となっています。どのような保険や制度に加入しているのかを、契約前に確認するようにしましょう。