
建ぺい率と容積率によって、建てられる住宅に違いがある
建ぺい率の上限は、用途地域との組み合わせによって30%から80%の間で定められます。建物の構造が制限される「防火地域」や、一定の要件を満たす角地では指定された建ぺい率の緩和措置があり、実質的に「制限なし」となる場合もあります。容積率の上限も同様に、用途地域との組み合わせによって50%から1300%の間で定められますが、前面の道路幅が12メートル未満の場合には、道路幅×0.4(住居系の用途地域)または道路幅×0.6(その他の用途地域)で求めた数値と、指定された容積率のうち「どちらか小さいほうの数値」が適用されます。
低層住宅地に多い「建ぺい率50%、容積率100%」の敷地では、一般的に2階建ての住宅までしか建てることができません。さらに高級住宅地などでみられる「建ぺい率30%、容積率60%」などの場合には、それなりに広い敷地でなければ十分な大きさの住宅は建てられないことになります。3階建て住宅を計画するのであれば、容積率は少なくとも150%が欲しいところです。
マンションの場合には容積率が大きいほど高層建築が可能になります。商業地域などで建ぺい率80%、容積率800%の敷地なら、単純に考えると10階建てが可能で、空地を多くすることによってそれ以上の階数が建てられる場合もあります。
建ぺい率と容積率以外にも、いろいろな建築制限がある
ただし、建築できる建物の大きさや高さを制限する規定は建ぺい率と容積率だけではありません。
「道路」「隣地」「北側」による高さの制限、いわゆる「斜線制限」や、低層住宅地における「絶対高さの制限」、日照を保護するための「日影規制」、さらに自治体によって内容が異なる「高度地区」の制限なども規定されています。これらの高さ制限と、建ぺい率や容積率の制限が組み合わされて最終的に建築可能な建物の大きさなどが決まります。そのため、指定された建ぺい率や容積率を上限まで使えないケースも少なくありません。
また、斜線制限によって建物の上部を斜めにせざるを得なかったり、最上階の天井高が部分的に低くなったりすることもあります。その一方で、一定規模以上の敷地で十分な空地を確保した場合などには、容積率や高さ制限の大幅な緩和措置もあり、地域によってはタワーマンションなどを建てやすくなっています。